CONTENTS
- 1. 上告審専門弁護士 | 事件の概要

- 2. 上告審専門弁護士 | 大法院の判断

- - 経営成果給の賃金性の判断基準、労働の提供との直接的・密接な関連性
- - 経営成果給の性格、事業利益分配に近い構造
- - 原審の法理適用に誤りがないという結論
- 3. 上告審専門弁護士 | 経営成果給の賃金性の判断基準

- - 近年の大法院の判例の流れ
- 4. 上告審専門弁護士 | 企業のための実務チェックリスト

- - 上告審の意味
1. 上告審専門弁護士 | 事件の概要
上告審専門弁護士が取り上げる本件は、経営成果給が平均賃金に含まれるか否かが核心的な争点となった退職金請求訴訟です。
造船会社ハンファオーシャン(旧・大宇造船海洋)に勤務していた在職者および退職者972名は、会社が支給してきた経営成果給を平均賃金に含めるべきだとして、退職金の差額を請求しました。
本件で問題となった成果給は、次のような名称で支給された金品でした。
原告らは、当該成果給が労働の対価であるため、退職金の算定基準となる平均賃金に含めるべきだと主張しました。
平均賃金は退職前3か月間に支給された賃金総額を基準に算定され、平均賃金が高くなるほど退職金も併せて増加することになります。
会社側は、当該成果給が事業利益分配の性格を持つ経営成果給にすぎず、労働の提供に対する直接的な対価ではないため平均賃金に含まれないと主張しました。
これに対して第1審と第2審の裁判部はいずれも、本件成果給が営業利益・経常利益など企業の財務成果に応じて支給される構造である点を考慮すると、労働の提供と直接的な関連性があるとは見がたいと判断しました。
しかし原告らは当該判決に不服として上告し、大法院の判断を求めました。
2. 上告審専門弁護士 | 大法院の判断

上告審専門弁護士は、本判決を検討した結果、大法院が本件で経営成果給の賃金性を判断する基準を改めて整理したと伝えました。
経営成果給の賃金性の判断基準、労働の提供との直接的・密接な関連性
大法院は、使用者が労働者に支給する金品が賃金に該当するには、労働の対償として支給される金品でなければならないという従来の法理を再確認しました。
すなわち、次の要件が満たされなければなりません。
- 金品の支給義務が存在すること
- その支給義務が労働の提供と直接または密接に関連すること
本件の経営成果給の場合、支給基準は次のような構造でした。
- 営業利益
- 経常利益
- 財務指標の達成率
このような指標は企業全体の経営成果を基準に算定されるものであるため、特定の労働者の労働の提供と直接的な関連性があるとは見がたいと判断しました。
経営成果給の性格、事業利益分配に近い構造
大法院は、当該成果給が事業利益を分配する性格に近いと見ました。
すなわち、本件成果給は次の要素に応じて支給の可否と規模が決まる構造でした。
- 会社全体の実績
- 経営成果指標
- 目標達成率
このような性格の金品は、労働の提供に対する対価というより、企業利益分配の一環として支給される報償に近いということです。
したがって、平均賃金算定の基礎となる賃金として認めることは難しいと判断しました。
原審の法理適用に誤りがないという結論
大法院は、原審が次のような判断を行った点をそのまま是認しました。
したがって、原審判決には法理の誤解や判断の誤りがないと見て上告を棄却しました。
3. 上告審専門弁護士 | 経営成果給の賃金性の判断基準
本判決が企業と労働者に投げかけるメッセージは明確です。経営成果給が支給されるからといって、自動的に賃金として認められるわけではないという点です。
大法院は近年、経営成果給の賃金性の判断において次の要素を総合的に考慮しています。
- 支給根拠規定の有無
- 支給義務の強制性
- 労働実績との関連性
- 支給基準の客観性
- 企業の経営成果との結びつき
すなわち、成果給が次のような構造であれば、賃金性が認められる可能性があります。
逆に、本件のように企業全体の財務成果を中心とする支給構造、事業利益分配の性格、支給の可否と規模が経営判断に大きく左右される構造を持つ成果給であれば、賃金性が否定される可能性が高くなります。
近年の大法院の判例の流れ
近年、経営成果給に関する大法院の判例は、互いに異なる結論が出ています。
代表的には次のような判例があります。
サムスン電子
大法院は、目標インセンティブ(TI)について賃金性を認めることができるという趣旨で原審を破棄差戻ししました。
この事件では、就業規則に支給基準が規定されており、事業部の労働実績が支給基準に反映される点が重要に考慮されました。
SKハイニックス
一方、SKハイニックスの事件では、経営成果給に就業規則上の支給義務がないという点が決定的に作用し、賃金性が否定されました。
ハンファオーシャン
本件でも大法院は、経営成果給が財務指標を中心とする支給構造であり、事業利益分配の性格であるという点を理由に賃金性を否定しました。
結局、近年の判例の流れは次のように整理されます。
「経営成果給という名称そのものよりも、支給構造と支給義務の存在が核心的な判断基準」
4. 上告審専門弁護士 | 企業のための実務チェックリスト

経営成果給は多くの企業で活用される報償制度ですが、設計方式によっては退職金の紛争につながる可能性があります。
したがって、企業は企業専門弁護士とともに次の事項を点検する必要があります。
成果給の支給構造の点検
- 成果給の支給基準が個人の労働成果か企業の実績かを確認
- 支給義務規定の有無を検討
就業規則および報償規定の検討
- 支給条件と基準の明文化
- 賃金該当性に関する解釈の可能性を点検
退職金算定リスクの管理
- 平均賃金に含まれる可能性がある成果給か否かを検討
- 長期的に発生し得る退職金負担の分析
労使紛争の予防
- 成果給の性格を事前に正確に規定
- 支給構造の変更時に法律検討を実施
上告審の意味
上告審は事実関係を改めて判断する手続きではなく、法理の適用が適切であったかを判断する手続きです。
したがって、上告審の段階では、従来の判例との整合性、法理適用の誤りの有無、判断基準の適切性が核心的な争点となります。
特に労働事件では、平均賃金、賃金性の判断、成果給の性格といった法理上の問題が繰り返し扱われるため、初期の訴訟段階から上告審戦略を考慮した対応が重要です。
上告審専門弁護士は、第1審・第2審の判決を分析し、法理適用の誤りの有無を判断して、依頼者に適した戦略で対応にあたります。
上告審専門弁護士の法律サービス
| サポート領域 | 主な内容 |
|---|---|
| 上告可能性の診断 | 原審の法理誤解の有無、上告理由の成立の有無を検討し、上告提起の可能性を判断 |
| 上告理由書の作成戦略 | 事実関係ではなく法理判断の誤りを中心に上告理由を構造化し、大法院の判例との整合性を分析 |
| 判例および法理の分析 | 従来の大法院判例、類似事件の判決、学説などを分析し、事件に適用可能な法理の論理を構築 |
| 記録および証拠の整理 | 下級審の記録の検討を通じて、法理判断に影響を与え得る核心的な事実関係と証拠を再整理 |
| 上告審の対応戦略の設計 | 上告棄却の可能性、破棄差戻しの可能性など、判決シナリオ別の対応戦略を策定 |
| 破棄差戻し後の訴訟戦略 | 大法院の破棄差戻し時に、差戻審で必要となる主張・立証の戦略と証拠の準備を支援 |
| リスク管理の自問 | 判決後に発生し得る法的・財務的リスクの分析および再発防止の対応戦略を提示 |
上告審専門弁護士のサポートを通じて、事件の構造と法理を確実に検討すれば、長期間続く労働紛争においても、より安定した対応戦略を整えることができます。
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